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癒し 新しいこと

くもをさがす

くもをさがす
くもをさがす
西加奈子

久しぶりの西さん作品、それもずっと読みたかった本”くもをさがす”。
テレビの番組などで色々紹介されていたので、内容は知っていたのだが、
西さん自身の癌治療体験エッセイ。

相変わらず西さんらしい表現で、夢中になって読み進めた。
<ありがとう>と何度も出てき、これまた直球な想いが炸裂していて素晴らしい。

『それがどれほど早すぎる死であろうと、痛ましい死であろうと、死そのものは公平だ。死を受け入れることはドラマチックな行為になりうるが、「死ぬこと」は、驚くほどありきたりなのだ。死は、私たちが呼吸をしているすぐそばにある。まるっきり無垢な、自然な佇まいでそこにあるものだから私たちはよく、それを見過ごす。
私たちの胸を痛ませるのは、ありきたりの死そのものではなく、死がもたらす不在の感覚だ。あの人がここにいない、そのたった一つのことが、私たちを狂わせる。だが、不在は、私たちに見過ごしていた死を認識するきっかけを与える。とても痛ましいが、必要な学びだ。
学びの過程を過ぎると、私たちにはある能力が与えられる。死者を悼み、そして死者を心の中で生かしておく能力だ。
必ずしも後世に残す何かは必要ない。亡くなった全ての人は、その人が「生前、間違えなく生きていた」という事実それだけで、死者も生き続ける。そして「死後の生」は、生きている者の生にも大きく作用する。生者の生は、彼らの死を反射して光る。その光は、なつかしさだけでなく、その人を思う寂しさも孕む。感情は、それがどんな、類のものであれ、私たちの生を保証するものなのだ』

「死」については勿論の事、それよりもっと「生」について示唆に富む内容だった。
皆におすすめしたい本だ。

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